●“最新”久米島・沖縄のホタル2006 (佐藤文保&川島逸郎)
【久米島のホタル(7種類)】
ホタルの種類 分布
1.オキナワクシヒゲボタル 久米島、伊平屋島、沖縄島、渡嘉敷島
2.クメジマミナミボタル 久米島
3.シブイロヒゲボタル 久米島
4.クロイワボタル 奄美大島、沖縄島、久米島
5.クメジマボタル 久米島
6.オキナワスジボタル 沖永良部島、沖縄島、渡嘉敷島、座間味島、久米島

7.オキナワマドボタル久米島亜種

  (クメジママドボタル)

久米島

■オキナワクシヒゲボタル
沖縄諸島固有の種。成虫は黒みを帯びた赤褐色、幼虫は黒色です。成虫は発光しませんが、幼虫は発光します。体は小さく(7.8mm)、成虫、幼虫ともに野外で見る機会が少ない種類です。雄の触角は発達し、節ごとに短い2本の枝が生じているので、全体としては「櫛ひげ」状になっています。雌は後翅があまり発達せず、腹部が大きくふくれています。雌が放つにおい(フェロモン)を雄が触覚で感知して探すと思われます。成虫は2〜3月にかけて主に出現します。幼虫は、ふだん落ち葉の下や地中生活をしているようで、時々雨降りの後などに地上に出現することがあります。幼虫が湿り気の多い場所を好むためか、成虫も川筋や森の林床、林縁で見つかります。

 


■クメジマミナミボタル
日本では、とりわけ琉球列島に多く生息しているミナミボタルの1種で、2005年に新種として名前が付いたばかりの小形のホタル。成虫は発光しませんが、幼虫はよく発光します。久米島固有のこの種は、前胸の色が黒褐色から赤色、褐色といった変化があり、上翅は全体に朱色から黄褐色まで変化が見られます。体は小さい(7.8o)のですが、活動的なことに加え、その色彩から、野外でも比較的目立ちます。雌が放つにおい(フェロモン)を雄が触角で感知して探すようです。成虫の出現は2〜3月にかけてですが、時折4月まで見られます。幼虫は光りながら活発に活動し、下枝や草上にもはい上がります。驚くと、丸くなって落下します。ヤマタニシやカタツムリをよく襲い補食します。

 


■シブイロヒゲボタル
日本では琉球列島以外には生息していない異色の仲間・ヒゲボタルの1種で、久米島固有。とても目立つ赤い色をしたヒゲホタルの幼虫は、ミミズを襲って食べます。久米島固有種のシブイロヒゲボタルは最近(1999年)記載されたばかりです。ただし、この赤いホタルの幼虫は、握っていると噛み付くことがあります。噛み付かれた人の話では蜂よりも痛いらしいので注意が必要です。成虫は11〜12月にかけて出現します。昼間も夜間も活動します。雄は腹部先の2点のスポット状でわずかに光ります。雌もぼんやりと光を放ちます。雄は触角が発達し、節ごとに長い枝が1本ずつ伸びているため、野外でもこの「ヒゲ」はたいへん目立ちます。雌が放つ匂い(フェロモン)を感知し、雌を探しているようです。雌は白く、翅がまったくない芋虫型で地中生活し、雄を呼ぶときだけ地表に出てきます。

 

 


■クロイワボタル
中琉球(奄美諸島と沖縄諸島)固有種。胸は橙色の体長5oの小さなホタルです。雌の後翅はあまり発達せず、ほとんど飛びません。雄は雌を探すために、低いところ(高さ1〜2m)を活発に飛び回ります。その際、ピカピカと1秒間隔で強く点滅発光するため、非常に印象的な光景となります。沖縄の童謡、蛍の歌「じんじん」のモデルにもなっており、いかにも沖縄らしい情緒・景観を醸し出す一役を担っているかのような、とても愛らしい種類です。4月中旬〜5月に発生(場所によっては3月下旬に出現)。他の季節にも時々出現します。

 


■クメジマボタル
久米島の固有の水生種。胸は橙色の体長雄14〜16mm、雌16〜18mm大きなホタルです。4月〜5月上旬に見られ、とりわけ4月中旬から下旬にかけて多く出現します。沖縄県の天然記念物で、世界中でも久米島だけに生息し、絶滅が心配されている種類です。幼虫は水中生活者でカワニナを補食します。2〜3月頃上陸し、川辺の土の中で蛹化します。雄は川沿いで集団同時明滅を行い、雌を呼びます。本土西部のゲンジボタルなどと比べても、同時明滅の間隔はいかにもノンビリした印象で、2.5〜4秒で一定しない「アバウト」(中間型・祖先型:沖縄方言でテーゲー型)です。雌は明け方に一斉に光りながら移動し、2秒間隔で明滅しながら川辺の苔や倒木などに産卵します。40分〜2時間の短い時間帯の集団産卵です。産卵数は約300〜500卵です。童歌「山のくみ汁」のモデルになっています。卵、幼虫、蛹、成虫といったすべての成育期間で光ります。世界的にも有名となっている水生ホタルの1種として、久米島の豊かで清らかな流れを象徴する種といえます。

 


■オキナワスジボタル
沖縄諸島と沖永良部島の固有種。胸は黄色の体長7oの小さなホタルです。上翅によく隆起した筋があるのでこの名がつきました。雄が光って飛ぶ姿も、あたかも空に筋を引くように見えます。雌はおよそ2秒間隔で発光します。時には3月中旬から11月ごろまで長く出現しますが、4月中旬〜5月頃(春から梅雨時期)と晩夏の頃(低気圧の通過・停滞時期)に多く、出現期がとても長いのが特徴です。幼虫の色は白く、地表近くや土中で生活し、主にキセルガイの仲間を食べる陸生のホタルです。クロイワボタルとともに、沖縄の童謡、蛍の歌「じんじん」のモデルにもなっています。


■クメジママドボタル(オキナワマドボタル久米島亜種)
クメジママドボタルの雄は、3月下旬〜4月にかけて出現し、昼間活発に飛翔するホタルです。オキナワマドボタルの久米島固有の亜種になっています。約1cmの大きさで、胸の赤みが強い橙色でとても目立ちます。光はとても弱いので、夜間見つけることは難しいホタルです。雌は翅が退化しており、飛ぶことができません。雄は触角が長く発達し、雌が放つ匂い(フェロモン)を手がかりに雌を探します。幼虫は主に地表で生活し良く光り、比較的乾燥にも強いので家の庭でも見つけることができます。久米島には、沖縄本島にいるオキナワマドボタルと姿の似たタイプのマドボタルも生息しています。前者を久米島型、後者を沖縄型(亜種内の型)として便宜的に区別しています。このホタルのこうした点においても、島ごとの個性が反映されているのかもしれません。

 


【沖縄県ホタル目録(25種4亜種)】

▼ホタル科 Lampyridae
1.オキナワクシヒゲボタル Cyphonocerus okinawanus okinawanus Nakane
   (分布)久米島、伊平屋島、沖縄島、渡嘉敷島
2.ヤエヤマクシヒゲボタル Cyphonocerus yayeyamensis M.Sato
   (分布)石垣島
3.イヘヤアカミナミボタル Drilaster akakanajai Kawashima, F.Satou & Sato
   (分布)伊平屋島
4.オキナワアカミナミボタル D. fuscicollis Nakane
   (分布)沖縄島北部、渡嘉敷島
4-0.オキナワアカミナミボタル基亜種 D. f. fuscicollis Nakane
   (分布)沖縄島北部
4-1.オキナワアカミナミボタル慶良間亜種 D. f. keramensis Kawashima, F.Satou & Sato
   (分布)渡嘉敷島
5.ナンザンミナミボタル D. tenebrosus Kawashima, F.Satou & Sato
   (分布)沖縄島中南部
6.クメジマミナミボタル D. kumejimensis Kawashima, F.Satou & Sato
   (分布)久米島
7.ムネアカミナミボタル D. ruficollis Kawashima, F.Satou & Sato
   (分布)石垣島
8.ヨナグニミナミボタル D. flavocephalicus Kawashima, F.Satou & Sato
   (分布)与那国島
9.オオバヤシミナミボタル D. ohbayashii M.Sato
   (分布)石垣島、西表島
10.オキナワクロミナミボタル D. okinawensis Nakane
   (分布)沖縄島
11.タテオビヒゲボタル Stenocladius azumai Nakane
   (分布)沖縄島、伊平屋島、渡嘉敷島
11-0.タテオビヒゲボタル基亜種 S. a. azumai Nakane
   (分布)沖縄島
11-1.タテオビヒゲボタル伊平屋島亜種 S. a. iheyanus Kawashima & F.Satou
   (分布)伊平屋島
11-2.タテオビヒゲボタル慶良間亜種 S. a. keramenisis Kawashima & F.Satou
   (分布)渡嘉敷島
12.シブイロヒゲボタル S. flavipennis Kawashima
   (分布)久米島
13.キベリヒゲボタル S. yoshikawai Nakane
   (分布)石垣島、西表島
14.ヤエヤマヒメボタル(八重山亜種) Luciola filiformis yayeyamana Matsumura
   (分布)石垣島、西表島
15.クロイワボタル L. kuroiwae Matsumura
   (分布)奄美大島、沖縄島、久米島
16.クメジマボタル L. owadai M.Sato & Kimura
   (分布)久米島
17. キイロスジボタル Curtos costipennis (Gorham)
   (分布)中之島、諏訪之瀬島、口之島、奄美大島、徳之島、宮古島、石垣島、西表島、

        与那国島、台湾、中国南東部
18..オキナワスジボタル C. okinawanus Matsumura
   (分布)沖永良部島、沖縄島、渡嘉敷島、座間味島、久米島
19.ハラアカマドボタル Pyrocoelia abdominalis Nakane
   (分布)石垣島、西表島、小浜島
20.ヤエヤママドボタル P. atripennis Lewis
   (分布)石垣島、西表島、小浜島、黒島、竹富島
21.イリオモテマドボタル P. iriomotensis Nakane
   (分布)西表島
22.オキナワマドボタル P. matsumurai Nakane
   (分布)沖縄島、瀬底島、屋我地島、渡嘉敷島、久米島
22-0.オキナワマドボタル基亜種 P. m. matsumurai Nakane
   (分布)沖縄島、瀬底島、屋我地島、渡嘉敷島
22-1.オキナワマドボタル久米島亜種 P. m. kumejimensis (Chojo & M.Sato)
   (分布)久米島
23.ミヤコマドボタル P. miyako Nakane
   (分布)宮古島、下地島、伊良部島、来間島
24.ナツミオバボタル Lucidina natsumiae Chojo & M.Sato
   (分布)西表島
 

▼オオメボタル科 Rhagophthalmidae
25.イリオモテボタル Rhagophthalmus ohbai Wittmer
   (分布)石垣島、西表島、小浜島
                                                      (2006年4月時点)

 

HOMEお問い合わせサイトのご利用にあたって|プライバシーポリシー 

このホームページに掲載のイラスト・写真・文章等の無断転載・転用を一切禁じます。

-Copyright©. 2006 kumejima-hotarunokai.All rights reserved.-